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頬骨は削っても小さくならない!? PART2~削ってダメなら小さくしましょう
削ってダメなら小さくしましょう
前回までのお話で、削るだけの手術は変化が今ひとつであることはご理解いただけたと思いますが、もう一つの術式、つまり切る手術についてお話します。切る手術とは「頬骨形成」。ここで頬骨形成の具体的な術式のお話をしましょう。
頬骨を小さくして小顔になりたい方の多くは、体部外側から弓部にかけての張り出しを小さくすることを望まれます。
この部分を写真で示すとこの赤く色をつけた所です。
これを下から見ると、このような感じです。
何度もしつこくて申し訳ありませんが、頬骨が大きい方はこの部分の曲がりが大きいわけですから、削るだけでは元々小さい方のようにはなりません。
頬骨を小さくするためには、このカーブをできるだけ直線的にする必要があります。
つまり、こんなかんじで黄色のラインで描いたカーブが赤いラインのように直線的になれば良いわけです。
そのためには、まず前方と側方(横方向)の二か所で頬骨を切り離します。
この時、単に切り離すだけでなく、前後で一部骨を切除します。(赤い部分)
そうして小さくなった頬骨を内側に向かってスライドさせていきます。
その時、前後でできた段差は削ってなめらかに仕上げます。
これによって頬骨は直線的になり、この模型のように本当の意味で小さくなります。
前回出ていただいたモニターの方は、まさにこの手術を受けていただいています。
それによって、術前大きかった頬骨が、こんな感じですっきりします。
頬骨形成の術式
ここでは頬骨形成の術式について、図解を使って説明していきます。
さきほどの私の描いたイラスト(+写真)では、頬骨が一旦顔の外に採り出されているように思われた方もいらっしゃると思いますが、これは切る部分をわかりやすくするためのイメージ図です。
実際は頬骨は筋肉としっかりつながっているため、この切るという作業はあくまで顔の中で行っていきます。
この頬骨につなかる筋肉は、手術の際に一旦両端を切られることになる頬骨中央部の血流の供給源としてとても大切です。
そのためこの手術の場合、切る部分の骨以外は極力露出せず、あくまで切るのに必要最小限の剥離を行います。
この手術の傷は、口の中ともみ上げに出来ます。
もうすこし細かくお話しすると、前方は口の中から上の歯の歯茎のすぐ上を左右2センチ弱切開し、ここからアプローチします。
横つまり外側はもみ上げの中に隠れる部分を約1.5センチほど切開しここから頬骨に到達します。
小さい傷から最小限の剥離で手術を行っていくわけですから、視野も狭くその分高度な技術が必要となります。ですが、最近は使用する機械が非常に進歩したおかげで以前よりもこの作業が行いやすくなりました。
この、一旦切った頬骨は最終的に小さくなった上で、切ったもう一方の断端とつながれるわけですが、この際の固定は基本的にチタンという金属のプレートを用いて行います。このチタンプレートは骨折した骨をつなぐ場合にも用いられるものです。ですから、削って薄くしすぎてしまいいつ折れるか判らないような状態より、よほど安定していると思います。
頬骨を小さくする際の問題点として、「たるみ」があります。頬骨が顔の内側に入り小さくなる分どうしても頬の肉が下に落ち、その分たるんで見えることがあります。高齢で元々たるみがある方は、頬骨が小さくなる分さらにたるんでしまうことになるため、これが顕著におこります。
これを防ぐために、こういった方にはこめかみのフェイスリフトを併用されることをお勧めしています。この場合はもみ上げの中の切開は行わず、頬骨の外側の切開にはフェイスリフトの傷を利用します。若い方であれば、こういったプラスアルファの手術を行わずとも、頬骨の骨切りにちょっとした工夫を加えることでこの「たるみ」を防ぐことが出来ます。これは、切った頬骨を固定する際、少し上方にスライドさせることによって頬のたるみを引き上げるというものです。弓部につながる筋肉も一緒に引き上げられるため、術後のたるみは最小限に食い止めることが出来ます。
ただし、弓部の「骨切り」のみを行う場合では非常に有効なこういった工夫も、体部から弓部を広範囲に縮小しなければいけない場合には限界がありました。というのも、従来の方法では、弓部は「骨切り」を行い、体部は体部で別に「削る」という作業を行っていました。
そのため、この両方を行う必要がある方に対しては、体部の削る範囲を大きく露出し、さらに弓部の切る部分も剥離せざるおえない訳ですから、その結果どうしても前方の剥離範囲が大きくなってしまいます。こうなると、先ほどお話した「血流」の問題もさることながら、頬骨につながっていた筋肉が広範囲でその支えを失い、緩んでしまい、これが大きなたるみの原因になってしまいます。
これを防ぐために、最近では体部から弓部全体を「骨切り」で小さくするという工夫を行っています。もちろん、同時に上方へのスライドも行います。
つまり、従来の術式と最近の術式では骨切りラインが異なります。
この方法では、頬骨の露出が最小限で済むため従来の方法のような「たるみ」の心配がありません。
これを防ぐために、最近では体部から弓部全体を「骨切り」で小さくするという工夫を行っています。もちろん、同時に上方へのスライドも行います。
この方法では、頬骨の露出が最小限で済むため従来の方法のような「たるみ」の心配がありません。
また、このくの字のラインに沿って全体に骨を一部切除することによって、頬骨の縮小と挙上を同時に行うことが出来ます。
つまり、縦方向に骨を切除することで頬骨のアーチを小さくし、横方向に骨を切除することで頬骨を上に持ち上げます。
ややこしいのでまとめると・・・
今まで何回かに分けてお話してきた頬骨の手術ですが、言いたかったことをまとめると、
- 頬骨を削るだけではあまり変わらないのて、切って小さくする必要がある。
- 頬骨を小さくするとたるむ恐れがあるので、たるまない工夫が必要。
- 最近の頬骨形成では、頬骨を小さくしつつ同時にたるまないように挙上することが可能。
ということです。
もちろんすべてお話できたというには余りにもわずかな内容でしたので、疑問に思うこと、お知りになりたい事がある方はぜひカウンセリングの際に直接ご質問ください。
皆さんがどんなことをお知りになりたいかを教えていただけることは、私にとっても勉強になることなのでよろしくお願いします。