鼻は細いほど美しい? PART2~鼻根部が太くなりすぎているケース
細すぎるプロテーゼによって鼻根部が細く見えすぎる事の弊害についてお話してきましたが、もちろん鼻根部が太くなりすぎるのも問題です。
プロテーゼを鼻に入れている方で、鼻根部が太くなりすぎている方は意外と少ないと思います。自分では太いと思い込んで気にしてプロテーゼの入れ替えのご相談にいらっしゃる方も、実際にはそれ程太くないケースがほとんどです。
鼻根部が太くなりすぎているケースの多くは、ヒアルロン酸注入によって起こっています。いわゆる鼻の「プチ整形」です。特に、この鼻のヒアルロン酸注入を繰り返している方にこの傾向が見られます。
なぜ、ヒアルロン酸注入で鼻が太くなりやすいのでしょうか?
これは、ヒアルロン酸の特性に注目するとおのずと答えが見えてきます。ヒアルロン酸の特性の一つに、液体に近い素材であるためシリコンプロテーゼと比べると軟らかいという事があります。
そのため、鼻を前方に押し上げる力はプロテーゼと比べて弱く、そのボリュームは前方よりも横方向に広がり易い傾向があります。ある程度までは、注入した量に比例して高くなっていきますが、この時も当然高さに比例して幅も大きくなっていきます。そして、限界を超えるとそれ以上高くならず、横方向にばかりヒアルロン酸が広がってしまいます。
その結果として鼻筋が異様に太くなってしまいます。つまり、ヒアルロン酸は入れれば入れるほど高くなるだけでなく太くなってしまいます。
このことは容易に想像できると思いますが、ヒアルロン酸を注入する量を控えめにした場合でも、先ほどお話ししたように注入を繰り返すことによってだんだん太くなっていきます。
これは、注入されたヒアルロン酸は時間とともにだんだん横方向に広がっていくという特性に原因があると考えられます。
もう少し詳しくお話しすると、一度注入されたヒアルロン酸は、最初の内こそ真ん中に集中し鼻の高さをアップさせるのに貢献していますが、時間とともに横に広がっていき、それとともにだんだん高さも無くなっていきます。
このため、ヒアルロン酸で中心がしっかりとしたシャープな鼻筋を長く維持するのは中々難しいと言えます。
こうして横に広がり高さが無くなってしまうと、当然物足りなくなりますから、ヒアルロン酸を再度注入することになります。
でもこの時の状態は、高さこそ元の鼻に近くなっていますが横方向に広がる形でヒアルロン酸が残っています。
つまり、すそ野状に広がったヒアルロン酸の上にさらにヒアルロン酸を注入することになるため、同じ高さでも前回の注入時より太くなります。これを繰り返すことによって、どんどん太くなってしまうという訳です。
毎回、同じように注入してもらっている筈なのに、太くなってしまった気がするという方は要注意です。
一か所に大量にヒアルロン酸を注入したり、一回量は少なくても頻回に注入を繰り返すとヒアルロン酸が吸収されにくくなるため、皮肉なことに太くなってしまった鼻ほど中々戻らない傾向があります。
鼻の「プチ整形」を繰り返している方で、ソーセージのように太い鼻筋になっている方を時々見かけますが、こんな方に限って注入を中止してもなかなか元の鼻には戻りません。
明らかに太くなってしまっている様なら、ヒアルロン酸の分解注射で一度元の状態に戻して再度注入されると良いと思います。