症例番号:靱帯移動-002
担当医: 福田 慶三
目尻靭帯移動術のトラブル一覧
左右差
目尻の靭帯を固定する位置や強さや後戻りが左右で異なりますと、目尻の位置に左右差を生じます。元々左右差がある場合は、術後も左右差が残りやすくなります。
対応
1週間後に明らかな左右差が認められる場合は、直ちに修正を行わせて頂きます。1 週間以降に左右差が現れた場合は、4 ヶ月以上待ってから修正を致します。
修正は、ご希望の高さになっているのとは反対側の目尻のキズを再度切開し、靭帯を骨に固定する位置を変更致します。靭帯移動術では、1mm 程度のズレやゆるみが生じる可能性がありますので、修正手術を行っても完全に左右が揃わないことがありますことをご理解ください。
効果が物足りない
予定した移動量が少なかったり、後戻りが起きたりしますと目尻の移動量が物足りなくなります。
対応
目尻の移動量が物足りないと感じる場合は、再度同じキズを切開して靭帯を骨に固定する位置を変更いたします。
目尻の移動量が大きくなりますと、まぶたと眼球の間にすき間ができて涙が溜まったり、眼球白目が腫れたり、不自然な目元になったりする可能性が高くなりますことをご了承ください。
効果が大きすぎる
術後1 ヶ月程はつっぱりが強く、目尻の近くではまぶたが開きにくくなります。そのため、目尻が下がり過ぎ(上がり過ぎ)て見えます。強いつっぱりが落ち着いてからも、3 ヶ月程は後戻りが生じます。効果が大きすぎると感じましても、しばらく経過を待つことが必要です。
対応
目尻の靭帯移動術では術後の後戻りがありますので、3 ヶ月は経過をみてください。3 ヶ月以上経過しても目尻の移動量が大きすぎると感じる場合には、再度目尻のキズを切開して靭帯を骨に固定する位置を変更いたします。
違和感
目尻の靭帯を骨に固定するため、手術1 ヶ月程は上・下のまぶたがつっぱり、目が開きづらく感じます。
対応
通常は、時間とともに馴染んでいきます。
戻りが起こる
まぶたの組織と眼窩骨(眼球の周りの骨)の癒着が強い場合や、目尻を上げたり下げたりする表情筋の力が強い場合は、術後3 ヶ月程の間に後戻りが生じます。
対応
後戻りには個人差があり、どの程度の後戻りが起こるのは予測できません。後戻りのため目尻の移動量が物足りないと感じる場合は処置を行います。
傷の色素沈着
体質により、キズアトが色素沈着を起こすことがあります。
対応
傷の色素沈着が目立つ場合は、クリームでの治療をお勧めいたします。
◆ハイドロキノンクリーム
色素を薄くします。
◆トレチノイン+ハイドロキノンクリーム
肌のターンオーバーを早め、新たな皮膚を再生させます。
稀ですが、キズアトが凸凹して目立つ場合は、切除し、再度縫合いたします。
※傷を完全になくす事は不可能であり、目立たなくするという目的であることをご理解下さい。
また、個人の体質的な要因が大きいため、キズアト修正には限界がありますことをご了承ください。
中縫いの糸が出てくる
皮膚の下の組織を縫い合わせている糸(中縫いの糸)が出てくることがあります。
対応
そのままにしておくと化膿する恐れがありますので、早めに来院して頂き、抜糸を行わせて頂きます。
目の焦点が合わない
手術後、眼球に腫れが生じると一時的に目の焦点が合わないことがあります。
対応
腫れが引くとともに徐々に軽減していきます。
感染(化膿する)
赤み・腫れ・痛み・熱感が増したり、長く続いたりする場合は、感染の疑いがあります。
対応
感染が起きた場合は、抗生剤の投与を行います。膿が溜まっている場合は、必要に応じて傷を再度開ける、もしくは、新たに切開し、膿を出す処置を行います。
血が溜まる
術後に傷の中で出血しますと、血が溜まってまぶたが腫れ上がります。血が溜まったままにしておきますと、感染やしこりを作る恐れがあります。
対応
出来るだけ早く処置する必要があります。その際は再度傷を開け、溜まった血を排出します。
傷が開く
稀に糸が外れて、傷が開いてしまうことがあります。
対応
傷が開いた場合は、再度、縫合いたします。
白目や角膜の損傷
大変稀なことですが、可能性は否定できません。手術中に、手術器具が当たる、あるいは糸やまつ毛の先端が当たって眼球の表面に傷がつくことがございます。
対応
白目や角膜の損傷や眼球に火傷が生じた例も報告されています。状態に応じた処置や対応を行います。
眼球の火傷
大変稀なことですが、可能性は否定できません。手術中に血を止めるための電気メスやバイポーラによって発生した熱で、眼球の表面に火傷を作る可能性があります。
対応
白目や角膜の損傷や眼球に火傷が生じた例も報告されています。状態に応じた処置や対応を行います。
目尻外角靭帯移動術のよくある質問
手術は全身麻酔ですか?
はい。全身麻酔でのご手術となります。
手技が非常に細かく手術時間を要するため、患者様のご負担に配慮するために全身麻酔での手術となります。
術中の意識はないため痛みを伴うことはありません。
術中の意識はないため痛みを伴うことはありません。
切開法のダウンタイムはどのくらいですか?
大まかな腫れは3日程度、むくみは1週間から2週間程です。
個人差ありますが、まぶた周囲の大まかな腫れは3~4日で引いてきます。
むくみは1週間から2週間ほど続くこともありますが、時間の経過と共に落ち着きます。
むくみは1週間から2週間ほど続くこともありますが、時間の経過と共に落ち着きます。
リスク
目尻の靭帯を骨に固定するため、手術1 ヶ月程は上・下のまぶたがつっぱり、目が開きづらく感じます。